浜田小児科内科クリニック|尼崎市南塚口町の小児科・内科・アレルギー科

クーラーはなるべく控えよう

小児集中治療の勉強にいそしんでいましたのでこの欄への書き入れがしばらくできませんでした。

今日などは夕立とかもあってついに本格的な夏がやってきました。暑くて寝苦しい日がこれからはさらに多くなってくるでしょう。子供は大人に比べてすごく汗かきです。汗をかくとこれまでこの欄にも書いてきたような皮膚の病気になるかもしれませんし、脱水や熱中症になってしまうかもしれません。

お部屋の温度をクーラーなどで下げることで子供に汗をかかさないようにしようと思う人もいるかもしれません。昔に比べてヒートアイランド現象とか地球温暖化などで日本の夏の温度もあがってきたようで、クーラー無しで夏を乗り越えるのはかなり困難になってきました。しかし考えてください。クーラーという文明の利器ができてからまだほんの数十年です。人類の歴史からすれば一瞬のことです。それまで人類は暑い夏でもクーラーや扇風機無しで乗り越えてきたのです。乗り越えられるような体に進化した人類のみが生き残ってきたといってもいいでしょう。

暑い環境の中でも体温が上昇しないのは、皮膚から出た汗が蒸発する時の気化熱が体の表面の熱を奪っていってくれるからです。つまり汗をかくことは体温調節にとって大事なことなんです。

人間には汗かきの人もいればそうでない人もいます。汗を出す腺は環境によって変化します。3歳くらいまでに環境への適応ができてくるようです。

今日ここで言いたいのは、環境に耐えられるような人間に育ってくれるように、子供が元気ならばなるべくクーラーなどの人工的環境を避けて、汗をかいては汗を流して皮膚の病気にならないようにし、水分や塩分を補給して脱水や熱中症にならないようにするというようにしていきましょう。わかっていただけましたか?大人は暑いところで寝るのは苦手ですが、子供は汗でぐちゃぐちゃになりながらもよく眠れているようですよ。