浜田小児科内科クリニック|尼崎市南塚口町の小児科・内科・アレルギー科

よい子(その4)

動物の多くは一度にたくさんの子供を産みますが、大人まで生き残れるのはその内のわずかだけです。私が大学院の時に実験にネズミを使っていましたが、弱った子供は親に食べられてしまうので往生しました。いつも危険にさらされている野生動物は弱った子供にかかわっている余裕が無いのでしょう。ですから子供の方も親に見捨てられないように必死です。他の子供と争ってお母さんの乳首を奪わないといけないし、お母さんに強い子供であることをアピールしないといけません。動物のように親からでも見捨てられる不安を本能として持ち合わせている人間が、子供の中にもいてるのかもしれません。

「よい子」たちは生まれつきそういった不安を持ちやすい子供と言えるかもしれません。「よい子」たちは不安のために頑張る姿を親にアピールし、その姿を見て親は安心します。本来の家族というのは子供が安心して暮らしていけるようにすべきであって、「よい子」の家庭のような、子供が不安を感じているのに親が安心しているというのは、本来の家族の姿の逆です。「よい子」たちが自分の存在に不安を感じなくて済むような生活環境を作ってあげることが、「よい子」対策のヒントになると思います。