浜田小児科内科クリニック|尼崎市南塚口町の小児科・内科・アレルギー科

治りにくいとびひ(その2)

どんな抗生物質か効くのかを知るために、初診で来られた時に細菌を採取し検査室に提出するようにしています。検査室では細菌を培養して量を増やしてから細菌の種類や性質を調べるのですが、あらかじめ抗生物質が投与されているとそれがとびひに効いていない抗生物質であっても細菌を増やすことができず、検査ができません。

検査の結果が出るまでに数日かかりますが、初診時に投与された薬が効いているかどうかを判定することができ、効かなかった時の薬の選択の助けになります。

検査結果から分かったことですが、同じ黄色ブドウ球菌でも薬の効き方はさまざまです。抗生物質が効かない黄色ブドウ球菌の代表であるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の中でも薬に対する反応はさまざまです。今のところ作用する抗生物質はテトラサイクリンだけですが、歯に色がつくなどの副作用により8歳未満の小児への投与は制限されています。

以前塗り薬の抗生物質でよく使われていたゲンタシンは今はほとんど作用しません。その原因はリンデロンVGの使い過ぎです。VGのGはゲンタシンのことです。近頃リンデロンVGの代わりにテラ・コートリルという抗生物質入りのステロイドを使う皮膚科の医師がいます。テラ・コートリルのテラはテトラサイクリンのことです。こういうことをされるとテトラサイクリンもそのうちに効かなくなってしまいます。医師には節度を持った抗生物質の使い方をしてほしいものです。