浜田小児科内科クリニック|尼崎市南塚口町の小児科・内科・アレルギー科

熱性けいれんと薬

熱性けいれんとは発熱に伴ってけいれんする病気のことです。生後数ヶ月から6歳くらいまで見られますが、時に6歳以上の子供でも起こることがあります。けいれんを起こす熱の原因として多い病気は突発性発疹とインフルエンザです。遺伝することもあり、親族に同じ病気を持っていることがあります。見かけは非常に恐ろしい病気ですが、後遺症は無いことがほとんどで、けいれん重積というけいれんが20分以上長引く場合に時として後遺症を認めることがあるくらいです。

熱を下げればけいれんが起きない、と考えて解熱剤を早め早めにと投与される方がいます。解熱剤の種類によってはけいれんを誘発するものもありますし、けいれんは熱が上昇する時に起こることが多いので、解熱剤で熱を下げ、病気が長引き熱が再び上昇する時にけいれんが起こることもあります。ということで、解熱剤にけいれんを予防する作用は無いと言われています。

けいれん重積を起こす子供に対しては、後遺症を残すこともあるためけいれんを予防していきます。その時に使う薬がダイアップ座薬です。けいれんの最中にけいれんを止めるためにダイアップ座薬を使う医者が多くいます。この治療に意味は無いと言われています。

鼻水やかゆみを止める薬、いわゆる抗ヒスタミン剤、ですが、てんかん発作を誘発すると言われています。てんかん発作だけでなく熱性けいれんも誘発します。そもそも4歳くらいまでは鼻水を止める目的で抗ヒスタミン剤を使っても鼻水は止まりません。特にアリメジン、ポララミン、アタラックス、ペリアクチン、マレイン酸クロルフェニラミン、ザジテンなどの第1世代の抗ヒスタミン剤はけいれん誘発作用が強いです。マレイン酸クロルフェニラミンは市販薬によく入っていますので、熱性けいれんやてんかんを持っている人は使わないでください。以前喘息治療によく使われていたテオドールも同じようにけいれん誘発作用があり、これらの薬を飲んでいたためにけいれんが重積し後遺症を残した子供が何人もいます。

乳幼児にも抗ヒスタミン剤を安易に処方する医者が多くいます。処方される時に子供本人やご家族にけいれんの人がいるかどうか聞かれましたか?聞かない医者はこの薬の副作用を知らない、と考えていいと思います。